折爪岳の直下の標高430m前後の所に位置している平安時代後期の高地性集落です。遺跡の保存状態がきわめて良好なことが高く評価され、令和6年に国史跡に指定されました。
遺跡の特徴は1,000年以上前の竪穴建物跡などの遺構が埋まりきらないでそのままくぼ地となっていることです。同じような穴がいくつも転々と残っていることから地元の人々も「昔の人が住んだ穴」ということで「黒山の昔穴」と呼んでおり、その名称がそのまま遺跡名となっています。平成28年度からの調査の結果、くぼ地は65箇所ほど確認されています。
くぼ地の発掘調査は平成14年から3か年間福島大学で調査していますが、なかでも標高が最も高い場所にある39号竪穴は最も規模が大きく直径7mあります。地上から50cmから1mほど掘り下げており、なかには柱穴とともにカマドの跡が確認されています。発掘調査を実施した遺跡から土師器(はじき)や須恵器(すえき)と呼ばれる焼き物とともに刀子(ナイフ)や鏃(やじり)などの鉄製品などが出土しています。須恵器のなかには高さ70cm以上の大甕が出土しており、九戸村公民館2階に展示しています。
黒山の昔穴遺跡は教育委員会でも刈り払いを年数回行うなど保存整備をこころがけているほか、平成19年度から地元の小学校で毎年カタクリの種を植えて花いっぱいの遺跡にしようと頑張っています。