○九戸村住民基本台帳の閲覧等に係る支援措置に関する事務取扱要領
平成31年3月12日
告示第10号
(目的)
第1条 この要領は、ドメスティック・バイオレンス、ストーカー行為等、児童虐待及びこれらに準ずる行為の被害者に対し、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号。以下「住基法」という。)に基づく住民基本台帳事務に関する取扱いを定めることにより、これら被害者の支援を図ることを目的とする。
(支援対象者)
第2条 支援措置を受けることができる者は、九戸村の住民基本台帳又は戸籍の附票に記載されている者であって、次の各号のいずれかに該当するものとする。
(1) 配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律(平成13年法律第31号)第1条第2項に規定する被害者であり、かつ、暴力によりその生命又は身体に危害を受けるおそれがあるもの
(2) ストーカー行為等の規制等に関する法律(平成12年法律第81号。以下「ストーカー規制法」という。)第2条に規定するストーカー行為等の被害者であり、かつ、更に反復してつきまとい等をされるおそれがあるもの
(3) 児童虐待の防止等に関する法律(平成12年法律第82号)第2条に規定する児童虐待を受けた被害者であり、かつ、再び児童虐待を受けるおそれがあるもの又は監護等を受けることに支障が生じるおそれがあるもの
(4) 前3号に掲げる者のほか、それらに準ずる被害を受けている者であって、支援措置を受けることが適当であると村長が認めるもの
(支援措置の申出)
第3条 支援措置を受けようとする者(以下「申出者」という。)は、住民基本台帳事務における支援措置申出書(様式第1号。以下「申出書」という。)によりその旨を村長に申し出ることができる。
3 申出者は、自己と同一の住所を有する者について、当該申出者と併せて支援措置を受けようとする場合は、その旨を申出書により村長に申し出ることができる。
4 申出者は、他の市区町村においても支援措置を受けようとする場合は、その旨を申出書により村長に申し出ることができる。
5 村長は、第1項の規定による申出があったときは、申出者に対し官公署発行の写真を貼付された身分証明書等の提示を求める等の方法により、当該申出者の本人確認を行うものとする。ただし、身分証明書等が提示できない場合には、申出者に本人以外では知り得ない事項について質問し、これを戸籍、住民情報で確認することにより本人確認を行うものとする。
6 村長は、法定代理人による申出にあっては戸籍謄本その他その資格を証明する書類を、任意代理人による申出にあっては指定の事実を確認するに足りる書類を提示させる等の方法によりその資格等を確認するとともに、前項の規定に準じてこれらの者が本人であることを確認するものとする。
7 村長は、児童相談所長、児童福祉施設の長、里親又はファミリーホーム事業(小規模住居型児童養育事業)を行う者(これらの職員を含む。)に対し、当該被害者の監護等をしている事実を確認するに足る書類を提示させるとともに、第5項の規定に準じてこれらの者が本人であることを確認するものとする。
2 村長は、支援措置の実施の決定をした場合は、第3条第4項の規定による申出をしたものについては、当該申出者に申出書の写しを、当該他の市区町村長に送付するものとする。
3 村長は、他の市区町村長から支援に係る申出書の送付を受けた場合は、当該他の市区町村長が支援措置の決定をしたことをもって、支援措置の必要性があるものとして取り扱うものとする。
(支援措置の内容)
第6条 村長は、支援措置の実施の決定を受けた者(以下「支援対象者」という。)に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧について、次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。
(1) 加害者が判明している場合で、当該加害者から閲覧申出があったときは、住基法第11条の2第1項各号に掲げる活動に該当しないものとして閲覧申出を拒否するものとする。
(2) 支援対象者本人から閲覧申出があった場合、住基法第11条の2第1項各号に掲げる活動に該当しないものとして閲覧申出を拒否するものとする。この場合において、住基法第12条第1項の規定により住民票の写し等の交付が請求できる旨を指導するものとする。
(3) その他の第三者から閲覧申出があった場合、加害者が第三者になりすまし、又は第三者が加害者の依頼を受けて行う閲覧申出に対し閲覧させることがないよう、本人確認及び利用の目的の審査を厳格に行うものとする。
2 村長は、住基法第11条の規定による住民基本台帳の一部の写しの閲覧の請求(以下「閲覧請求」という。)について、加害者が国又は地方公共団体の機関の職員になりすまして閲覧を行うことがないよう、本人確認を厳格に行うものとする。
3 村長は、閲覧申出において特別の申出がないときは、支援対象者を除く閲覧申出であるとみなし、支援対象者に係る部分を除外し、又は抹消した住民基本台帳の一部の写しを閲覧に供することができる。この場合において、村長は、閲覧申出用紙に明記する等の方法により、あらかじめその旨を閲覧申出をする者に明らかにするものとする。
4 村長は、閲覧請求及び閲覧申出において特別の申出がある場合は、支援対象者に係る部分を除外しない、又は抹消しない住民基本台帳の一部の写しを閲覧に供することができる。
5 村長は、支援対象者に係る住民票の写し等及び戸籍の附票の写しの交付について、次の各号に定めるところにより取り扱うものとする。
(1) 加害者が判明している場合で、当該加害者から請求又は申出があったときは、不当な目的があるものとして請求を拒否し、又は住基法第12条の3第1項各号に掲げる者に該当しないものとして申出を拒否するものとする。ただし、請求事由又は利用目的をより厳格に審査した結果、請求又は申出に特別の必要があるものと認める場合は、提出する必要がある機関との調整を図る等の方法により別途措置するものとする。
(2) 支援対象者本人から請求があった場合、加害者が支援対象者本人になりすまして行う請求に対する交付を防ぐため、代理人若しくは使者による請求、郵送による請求、郵政窓口サービスによる請求及びおおいた広域窓口サービスによる請求は認めないものとする。
(3) その他の第三者から申出があった場合、加害者が第三者になりすまして行う申出に対する交付及び加害者の依頼を受けた第三者からの申出に対する交付を防ぐため、第3条第5項の規定に準じて、本人確認を厳格に行うものとする。ただし、村長が当該措置を不要と認める者については、この限りでない。
(支援措置の期間等)
第7条 支援措置の期間は、支援措置の実施の決定をした日から起算して1年間とする。
2 第5条第3項の規定により支援措置の必要性があるとした場合は、当該他の市区町村長が支援措置の実施を決定した日から起算して1年間とする。
(支援措置の終了)
第8条 村長は、次の各号のいずれかに該当する場合は、支援措置を終了するものとする。
(1) 支援対象者から、住民基本台帳事務における支援措置終了申出書(様式第3号)により終了を求める旨の申出を受けたとき。
(2) 支援措置の実施を決定した日から1年を経過し、支援対象者から前条第3項に規定する申出がなされなかったとき。
(3) 他の市区町村から支援措置を終了する旨の通知を受けたとき。
2 前項の場合において、村長は、当該支援対象者について他の市区町村においても支援措置を行っているときは、当該他の市区町村長に対し支援措置が終了した旨を通知するものとする。
5 第3条第3項の支援措置は、原則として、支援対象者に対する支援措置を継続したときはこれを延長し、支援対象者に対する支援措置が終了したときは、これを終了するものとする。
(支援措置責任者)
第9条 支援措置責任者は、税務住民課長とする。
2 支援措置責任者は、申出書の内容確認、閲覧申出並びに住民票の写しの交付請求及び戸籍の附票の写しの交付請求の内容確認を厳格に行い、決裁するものとする。
3 支援措置責任者の決裁を受けなければ、それ以後の事務手続きを進めることはできないものとする。
4 前2項の事務に関し、支援措置責任者が不在のときは、税務住民課長補佐がその事務を代決する。
2 支援対象者への支援を適切に行うため、村の関係部署に対して必要な情報を提供するものとする。
(関係部署の責務)
第11条 村の関係部署は、支援措置の実施決定を受けた支援対象者の住民基本台帳情報等の守秘に関し、万全の措置を講じなければならない。
(雑則)
第12条 この要領に定めるもののほか、必要な事項は、村長が別に定める。
附則
1 この要領は、公布の日から施行する。
2 この要領の施行の日前になされた支援措置に関する申出その他の手続は、この要領によりなされた申出その他の手続とみなす。
附則(令和3年告示第27号)
この告示は、令和3年4月1日から施行する。