○九戸村議会基本条例
令和3年3月12日
条例第6号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 議会及び議員の活動原則(第4条―第6条)
第3章 村民と議会の関係(第7条―第9条)
第4章 村長等と議会の関係(第10条―第13条)
第5章 議会の機能強化(第14条―第17条)
第6章 理念の共有と見直し手続き(第18条・第19条)
附則
九戸村は、先人たちが厳しい自然環境の中で切り拓き、貴重な文化を育み、発展してきました。そして、先人が培った知恵と誇りを受け継ぎ、次の世代に伝えていくため、より良い形で引き継いでいかなければなりません。
議会は、地方分権の時代にあって、二元代表制のもと、地方公共団体の事務の執行の監視機能及び立法機能を十分発揮しながら、村民全体の福祉の向上と村の発展に尽くす使命を負っています。
この使命を果たすため、自らの創意と工夫によって村民との協調のもと、九戸のむらづくりを推進して行く必要があります。議会の公正性・透明性を確保することにより、村民に開かれた議会、村民参加を推進する議会を目指して議会活動を展開するため、規範となる「九戸村議会基本条例」を制定し、活動の指針とするものです。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、九戸村議会(以下「議会」という。)及び九戸村議会議員(以下「議員」という。)の活動の指針とする基本的事項を定め、明らかにすることにより、活動の活性化と充実を図り、村民の信頼と負託に応える議会の実現を目指し、村民の福祉の向上と村の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、村政における唯一の議決機関として、村民の意思を村政に反映させるため、公平かつ公正に議論をつくし、地方自治の本旨の実現を目指すものとする。
2 議会は、議員及び村長の二元代表制のもと、村民の代表として、その信託に応えるものとする。
(最高規範性)
第3条 この条例は、議会運営における最高規範であって、議会に関する他の条例等を制定し、又は改廃する場合においては、この条例に定める事項との整合性を図らなければならない。
2 議会は、議会に関する法令等の条項を解釈し運用する場合において、この条例の趣旨に照らして判断しなければならない。
第2章 議会及び議員の活動原則
(議会の活動原則)
第4条 議会は、村民の代表機関であることを常に自覚し、公正性、透明性及び信頼性を重んじ、村民に開かれた議会及び村民参加を積極的に推進する議会を目指して活動するものとする。
(議員の活動原則)
第5条 議員は、村民の代表であることを自覚し、村民の意見や要望を的確に把握し、議会活動に反映させるよう努めるものとする。
2 議員は、会議において、合理的及び能率的な審議に協力し、秩序維持に努めなければならない。
(議員の政治倫理)
第6条 議員は、村民全体の代表者として、その倫理性を常に自覚し、自己の地位に基づく影響力を不正に行使することのないよう品位を重んじるとともに公正かつ誠実に行動しなければならない。
第3章 村民と議会の関係
(情報公開)
第7条 議会は、村民に対して説明責任を果たすため、議会の活動に関する情報を積極的に公開するものとする。
(村民参加)
第8条 議会は、村民や各種団体等との意見交換の場を設け、相互理解を深め、情報の共有を図るとともに、多様な意見を聴取し、地域の課題などに即した議会活動を行うものとする。
(議決責任)
第9条 議会は、村民に対する議決責任を深く認識し、村の意思決定を行うものとする。
第4章 村長等と議会の関係
(村長等との関係)
第10条 村長及び執行機関の職員(以下「村長等」という。)と議会は、互いに尊重し、緊張関係の保持に努めなければならない。
2 議員は、法令等に定めがある場合を除き、村長等の付属機関の委員に就任しないものとする。
(審議の方法)
第11条 本会議における一般質問は、一問一答方式で行い、単なる質問に終始することなく、政策提言等の建設的な議論を展開するものとする。
2 村長等は、議長又は委員長の許可を得て、論点整理のための反問をすることができるものとする。
(政策等の審議と評価)
第12条 議会は、村長等が提案する政策等について、内容をより明確にするため、必要に応じて、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 政策等の背景
(2) 提案までの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策との比較検討
(4) 財源措置
(5) 将来にわたる効果及び費用
2 議会は、村長等との情報交換を定期的に行うよう努める。
3 議会は、提案された政策等の審議に当たっては、政策等の適否を判断するため、論点及び争点を明確にするとともに、執行後における重要な政策等の評価に資する審議に努めるものとする。
4 議会は、村長が執行した施策及び事業の評価を行うとともに、村長に対し、その評価を翌年度以降の予算に反映させるよう求めるものとする。
(危機管理)
第13条 議会は、大規模な災害等が発生したとき又は発生の恐れがある場合は、村民の生命、身体及び財産又は生活の平穏を守るともに、村が災害の対応に専念し、応急活動を円滑かつ迅速に実施できるよう、必要な協力及び支援を行うよう努めなければならない。
第5章 議会の機能強化
(議会の活性化)
第14条 議会は、議会活性化に積極的かつ持続的に取り組まなければならない。
2 議会は、村政の課題等について共通認識を深めるとともに、議会運営の改善や議員個々の質疑及び質問力の向上に努めなければならない。
3 議会は、定例会後速やかに総括を行い、課題把握と政策形成の方向性を明確にするように努めるものとする。
(議決事件の拡大)
第15条 地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第96条第2項の規定による議会の議決すべき事件については、村民の付託に応える村政を実現できるよう、積極的に定めるものとする。
2 議会の議決すべき事件については、別に条例で定める。
(議員研修の充実)
第16条 議会は、議員としての視野を広げるとともに、資質の向上を目指し、議員研修の充実強化を図るものとする。
2 議会は、他の自治体議員との合同研修や情報交換により、交流と連携を推進するものとする。
(議員定数及び議員報酬)
第17条 議会は、議員定数及び議員報酬の改定について協議する場合においては、村政の現状及び課題並びに将来の見通しを十分に考慮するものとする。
2 議会は、前項の協議に当たっては、村民の意見を聴くほか、公聴会及び参考人の制度を活用するものとする。
3 議員定数及び議員報酬の条例改正案は、村民の直接請求による場合及び村長が提出する場合を除き、議員が明確な改正の理由を付して提出しなければならない。
4 議員定数及び議員報酬については、別に条例で定める。
第6章 理念の共有と見直し手続き
(理念の共有)
第18条 議会は、この条例の理念を全議員で共有するため、議員の任期開始後、速やかにこの条例に関する研修を実施しなければならない。
(条例の見直し手続)
第19条 議会は、議会の運営がこの条例の趣旨に即しているかを不断に検証するとともに、村民の意見、社会情勢の変化等を勘案し、条例の見直しを行うものとする。
2 議会は、検証の結果、条例の改正を行う場合は、本会議において、改正の理由及び背景を説明しなければならない。
附則
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例施行の際、現に村長等の付属機関の委員に就任している議員は、第10条の規定に関わらず、その付属機関の委員の任期満了又は中途退任まで在任するものとする。