企業インタビュー
地域の隠れた魅力を
暮らしの中で発見
藤館 知史さん
有限会社阿部悦三商店
品質管理室
岩手県九戸村出身
1988年生まれ
Q.どんな会社ですか
A.
若鶏の解体加工を行う(株)阿部繁孝商店のガラ処理工場として昭和45年に創業し、昭和48年に(有)阿部悦三商店として独立しました。工場は3カ所あり、第1工場では鶏すり身、第2工場と第3工場では焼鳥の製造を行っています。原料搬入から出荷まで、HACCP手法による徹底した衛生管理システムを導入しています。
Q.製品の特徴はありますか
A.
当社が使用している鶏肉は、国産の安心・安全な鶏肉です。主力製品の鶏すり身は、骨肉分離機を通して鶏ガラから肉だけをミンチで分離したもの。当社の鶏すり身は大手食品メーカーの製品にも使用され、ハンバーグやサラミ、ソーセージなどの原料となっています。また、せせり(首肉)のような小さい肉も丁寧に処理し、高い品質を確保しています。
Q.仕事内容を教えてください
A.
品質管理室に所属し、製品の安全性を監視するとともに、従業員への衛生管理教育や、高度な品質管理技術の取得・導入にも携わっています。日々の作業としては、細菌検査やふきとり検査、残骨検査などの各種検査に加えて、適正な温度管理や工程管理が行われるよう、さまざまな検証を行なっています。
Q.仕事のやりがいは
A.
より良い製品を作ることに、やりがいを感じています。たとえば、消費期限の設定は品質管理室の仕事なのですが、小売店にとっては、販売期間が長いほど売りやすくなります。消費期限の延長を実現するためには、劣化の要因や条件を把握し、科学的根拠に基づいた対応策を現場に提案する必要があります。その検証が楽しく、取り組みがいのある仕事です。
Q.職場環境はどうですか
A.
職場の作業環境改善に取り組むメンバーの一員として、従業員が安心して、負担なく働ける職場づくりにも努めています。冷凍庫や冷蔵庫で快適に作業できる高性能の防寒着や、耐切創性の高いチタンメッシュグローブを揃えたのは、その取り組みの一環です。月1回の安全衛生会議では従業員の意見を拾い上げ、働くモチベーションに向上させる改善活動につなげています。
Q.鶏肉産地のあるあるネタを教えてください
A.
当社では割引価格で鶏肉が買える社員販売を行っていて、従業員はお中元やお歳暮用として鶏肉を4キロとか、焼鳥100本とか、せせり2キロとか買って、それをどんと贈るんです。地元の方はなんとも思いませんが、鶏肉文化が根付いていない地域の方は戸惑うかもしれません(笑)。それに、なんといっても鮮度は抜群。その日に処理した鶏が、夕方にはパック詰めされて手に入る。この環境はなかなかないと思います。
Q.九戸村で気に入っている場所は
A.
昨年11月29日、「いい肉」の日に結婚しまして、結婚前のデートで、生まれて初めて折爪岳のヒメボタルを見に行きました。鑑賞時期の終わり頃でしたが、たくさんのホタルが飛び交っていました。すぐそばに、これだけのホタルが見られる場所があるなんてすごいと思いましたね。
Q.移住希望者の方にひとこと
A.
自然を満喫するのが好きで、静かな環境で生活したいという人には、九戸村はぴったりだと思います。折爪岳は気軽に登山できる山で、山菜採りやきのこ狩りも楽しめます。スキー場も近くて便利。それに、村民は温かく親切な人ばかりですから、安心して来てください。