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九戸村の愉快な仲間たち!

INTERVIEW

企業インタビュー

伝統産業の未来を
熟練の技で切り開く

七戸 智広さん

七戸産業 代表
岩手県九戸村出身
1964年生まれ

Q.創業はいつですか

A.
創業年は不明ですが、私はこの家の11代目になります。九戸村に限らず、かつて山で暮らす人にとって炭焼きは日常でした。地域で作られた炭を仕入れ、自家生産分と合わせて東京に出荷する事業を始めたのが私の親父で、その時から「七戸産業」と名乗っています。炭のほか、シイタケ原木の買い付けと販売、夏場はトウモロコシとネギの栽培もしています。

Q.木炭生産について教えてください

A.
岩手県は木炭の生産量が日本一で、品質も高く評価されています。うちには炭焼きの窯が5基ありますが、岩手県が独自に開発した「岩手大量窯」と呼ばれる窯を使い、1年を通して炭を焼いています。年間の生産量は70トン。私は県認定の製炭技師・チャコールマイスターとして、高品質の炭作りと若手生産者の育成に努めています。

Q.炭焼き職人には
若い人もいますか

A.
私の息子は30歳ですが、後継者として働いています。人数は多くありませんが、息子と同世代で炭焼きの仕事をしている人もいます。生産量が少ないとなかなか採算が取れないとは思いますが、複合経営にするなど工夫の余地はあると思います。

Q.どんな炭製品を
生産していますか

A.
農林水産省の地理的表示(GI)保護制度に登録され、品質が保証された「岩手木炭」のほか、松炭や雑炭、灰、木酢液などを生産販売しています。10数年前には、これまで取引のなかった焼鳥チェーンからの依頼で、「軟らかくてすぐに砕ける炭」の開発に取り組んだこともあります。

Q.商品開発のエピソードは

A.
「軟らかくて砕ける炭」を焼いたことはこれまでに一度もなかったのですが、いつもの逆をやればいいと、軽い気持ちで挑戦しました。ところが、そう簡単なものではありませんでした。窯に木を並べ、できた炭を取り出すまで20日間かかります。他の炭焼き職人にも相談しながら試行錯誤を重ね、納得いくものができるまで3年を要しました。

Q.仕事の面白さを感じるのは

A.
炭は問屋さんに卸すのが主ですが、個人のお客様との取引では感想を直接聞くことができるので、「いい炭だね」と言われたときはうれしいですね。親父の代は取引先が数軒でしたが、おかげさまで今では全国に30ぐらいの取引先があります。それぞれのニーズや用途に合わせた炭を生産しています。

Q.九戸村のいいところは

A.
交通の便はいいと思います。高速道路のインターチェンジは近いですし、新幹線も隣接する二戸市まで行けば乗ることができます。二戸から東京までは2時間半ぐらいですから、距離はありますが、そう遠く感じません。

Q.地域の特色はありますか

A.
30歳で青年団を引退してから、青年団OBで地域を盛り上げる活動を始めたんです。その一つが、盆踊り大会の復活。会場の道の駅おりつめ「オドデ館」には、大勢の参加者がやってきて賑わいます。3月に開催される演芸まつりも、私たちが始めました。地区内外から幅広い年代の芸達者たちが集まってきて、毎年大盛況です。住民が楽しめる活動を続けることで、地域は元気になっていきます。みんなすぐに顔見知りになるので、仲間も自然と増えていきます。よそから移住してきた人でも、すぐに馴染めると思いますよ。

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